地域熱供給のメリットmerit

「地域熱供給」とは、プラント から複数建物へ導管を通じ、冷熱や温熱を供給して冷房・暖房・給湯・ロードヒーティングなどを行うシステムです。

高い省エネ性

効率の良いエネルギーの利用

エネルギー使用パターンの異なる複数用途のビルにエネルギーを共有するため、負荷の平準化による機器容量の低減が図れ、さらに天然ガスコージェネレーションから出る排熱の有効利用が可能となります。

高効率機器の利用

プラントに設置する機器は、高性能なガスエンジンによるコージェネレーションや、排熱投入型吸収冷凍機など最新の高効率機器の導入を進めています。

新技術への対応

日進月歩で進化する省エネ・低炭素技術を個別に全ての建物に導入することは困難ですが、地域熱供給プラントで導入することで、全てのユーザーがその効果を享受する事ができます。

地域熱供給の省エネルギー効果

省エネビルにおける地域熱供給方式と個別熱源方式とのエネルギー消費比較

個別分散型空調の場合、機器効率が低下する低負荷での運転時間が全体の大半を占めております。一方、地域熱供給の場合は、複数のビル、フロアの合計負荷に、複数の熱源機器でエネルギー供給するため、低負荷での運転時間が少なく、大きな省エネルギー効果につながります。

出典『「年間実負荷に基づく地域冷暖房方式と個別熱源方式のエネルギー効率比較」
  (2016年度空気調和・衛生工学学会学術論文集、P53-56)』の情報を一部加工

高い環境性

地球温暖化防止

省エネに優れた機器の採用や自然エネルギーを活用、一次エネルギーを削減する事で、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出を抑制することができます。

未利用エネルギーの利用

木質バイオマスや、フリークーリングなどの未利用エネルギーを地域熱供給の熱源として使用することにより、化石燃料の消費低減が図られます。

ヒートアイランド対策

地域熱供給システムは熱源設備の一元化によるエネルギー利用効率の向上、大気温度を上昇させない排熱処理(潜熱処理)、屋上緑化の推進などによりヒートアイランド対策として有効です。

高い信頼性

熱の安定供給

高い技術を持ったオペレーターが24時間体制で管理・運用している地域熱供給は、運転保守管理も万全です。

防災機能の向上

建物ごとの熱源設備が不要となるため、震災時などの火災リスクを軽減させることができます。

都市美観の向上

各建物では、煙突や冷却塔が不要となり、屋上などが有効に活用できます。設計上も自由度が増し、都市美観の向上に貢献します。

高い経済性

省力化

建物ごとの熱源設備が不要となるため、一定の資格をもつ主任技術者や運転管理要員の配置を省力化できます。

収益床の増加

プラントを設置する建物では、プラント及び受入機械室に相当する面積が容積率算定から除外されます。また、地域熱供給の受入機械室についても容積率算定から除外されます。

スペースの有効利用

建物ごとの熱源機器や冷却塔が不要となり、スペースの有効利用が図られます。設備スペースをレンタブルスペースに転用することによる賃料収入の増、または設備スペースを縮小することによる建設費の削減が図られます。